睡眠障害の代表といえる疾患で、夜の寝つきが悪く、 眠ろうとするとかえって
目が冴えたり、途中で目がさめてしまう、朝早く目が覚めるなどの症状がみら
れます。
当クリニックでは、なるべく少量で効果的な治療薬の選択を目指しています。
また、カウンセリング治療(認知行動療法)も行っており、高い治療効果を得て
います。
「不眠」の症状は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒の3つ
夜中に目が覚めてトイレに立った後、再び眠るまで30分以上かかるというのは、「再入眠困難」のケースといえます。
《不眠の4つの症状》
【入眠障害】…床についてから30分以上寝付けない
【中途覚醒】…夜中に何度も目が覚める。再入眠困難を伴うことも多い。
【早朝覚醒】…予定の起床時間より2時間以上早く目が覚める。
《年齢とともに中途覚醒と早朝覚醒が増える理由》
高齢になると…
【中途覚醒】
・生理的に眠りが浅くなりやすい
・閉塞性睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動のために眠りが浅くなり、分断される
・夜間にトイレが近くなる
【早朝覚醒】
・生活時間帯が前倒しになり、夜早くから眠くなり、朝早く目が覚める
・日中の運動量が減るので疲労も少なく、睡眠が長く続かない
不眠の原因は、身体疾患、精神疾患、リズム障害、薬物の影響など、さまざま。精神疾患のなかでも、うつ病は自分で気づかないこともあり、注意が必要。
《不眠の原因はいろいろあります》
【精神疾患】
うつ病、不安障害、認知症
【身体疾患】
痛み・かゆみ、腎疾患、心疾患、糖尿病、高血圧、呼吸器疾患 など
【睡眠中の異常現象】
閉塞性睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動 など
【概日リズム睡眠障害】
睡眠・覚醒相後退障害、睡眠・覚醒相前進障害、非24時間睡眠・覚醒リズム障害、不規則睡眠・覚醒リズム障害
【薬物】
パーキンソン病の薬、甲状腺ホルモン・高血圧の薬の一部、インターフェロンなど免疫機能に作用する薬、ステロイド製剤など
「どれも思い当たらないけれど眠れない」→不眠症
ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社