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睡眠障害とは


病名一覧

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群

大きないびきをかき、睡眠中に繰り返し呼吸が止まる病気。
気道が塞がって呼吸ができず、 眠りが浅くなるため、著しい
睡眠不足によって、昼間強い眠気が起こります。
また高血圧、糖尿病を含めたメタボリック症候群の悪化につながりやすいのも特徴の一つです。 肥満者や顎の小さな人がなりやすいようです。経鼻的持続陽圧呼吸法 (CPAP) やマウスピースを用いて治療することが多いですが、体型や顎の形態、重症度、年齢を考慮して治療法を選択する必要があります。

重症無呼吸だと「心血管系合併症」などのリスクや死亡率も高くなる。無呼吸によってさまざまな病気が引き起こされます。
眠気などの自覚症状がない場合でも、家族から無呼吸ではないかと指摘を受けたら、一度受診をして重症度評価を。


睡眠時無呼吸症候群

「肥満」「小あご」「細あご」の人が閉塞性睡眠時無呼吸症候群になりやすい。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は中高年男性に多い病気ですが、若い人でも発症するケースがあります。
また、女性も閉経後に発症率が上昇することがわかっています。


ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社


過眠症

夜間に十分な睡眠をとっていても日中の眠気が強くしばしば居眠りを生じます。不眠症ほど多くはありませんが、慢性的な眠気に悩んでいる人の割合は国民の1割に達すると言われています。睡眠不足や生活スケジュールの影響を検討した後に、精密な重症度評価を行い、適切な治療法(主に薬物治療)を選択します。

日中強い眠気に襲われる「過眠症」。
脳の機能に障害があることも。


ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社

ナルコレプシー

日中の眠気が強く、断続的に居眠りを繰り返します。また、眠気だけでなく、夢をよくみることと、夜間の眠りが浅いこともこの病気の特徴です。寝入り際に夢をよくみる、金縛りにあう、情動脱力発作(笑ったり、怒ったり、びっくりしたときに体の力が抜ける)が生じる、などの症状もみられます。 薬物服用と生活調整によって、日常生活の障害がなくなるレベルまで治療可能です。

ナルコプレシーの発症年齢は10代から20代前半に集中しています。慢性疾患なので、気長に治療に取り組むことが必要です。

《ナルコプレシーの特徴的な症状》
【主症状】…日中の過度の眠気、情動脱力発作
【副症状】…入眠時幻覚、睡眠麻痺(強い不安にかられ、逃げ出そうとしても動けない、声を出そうとしても声が出ない金縛り状態)
【その他】…夜間熟眠障害、中途覚醒、自動症(半分眠っているような状態で、ふだん行っていることを無意識に行うこと。行動範囲は覚えていない。)


ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社

不眠症

不眠症

睡眠障害の代表といえる疾患で、夜の寝つきが悪く、 眠ろうとするとかえって
目が冴えたり、途中で目がさめてしまう、朝早く目が覚めるなどの症状がみら
れます。
当クリニックでは、なるべく少量で効果的な治療薬の選択を目指しています。
また、カウンセリング治療(認知行動療法)も行っており、高い治療効果を得て
います。

「不眠」の症状は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒の3つ

夜中に目が覚めてトイレに立った後、再び眠るまで30分以上かかるというのは、「再入眠困難」のケースといえます。

《不眠の4つの症状》
【入眠障害】…床についてから30分以上寝付けない
【中途覚醒】…夜中に何度も目が覚める。再入眠困難を伴うことも多い。
【早朝覚醒】…予定の起床時間より2時間以上早く目が覚める。

《年齢とともに中途覚醒と早朝覚醒が増える理由》
高齢になると…
【中途覚醒】
・生理的に眠りが浅くなりやすい
・閉塞性睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動のために眠りが浅くなり、分断される
・夜間にトイレが近くなる
【早朝覚醒】
・生活時間帯が前倒しになり、夜早くから眠くなり、朝早く目が覚める
・日中の運動量が減るので疲労も少なく、睡眠が長く続かない

不眠の原因は、身体疾患、精神疾患、リズム障害、薬物の影響など、さまざま。精神疾患のなかでも、うつ病は自分で気づかないこともあり、注意が必要。

《不眠の原因はいろいろあります》
【精神疾患】
うつ病、不安障害、認知症
【身体疾患】
痛み・かゆみ、腎疾患、心疾患、糖尿病、高血圧、呼吸器疾患 など
【睡眠中の異常現象】
閉塞性睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動 など
【概日リズム睡眠障害】
睡眠・覚醒相後退障害、睡眠・覚醒相前進障害、非24時間睡眠・覚醒リズム障害、不規則睡眠・覚醒リズム障害
【薬物】
パーキンソン病の薬、甲状腺ホルモン・高血圧の薬の一部、インターフェロンなど免疫機能に作用する薬、ステロイド製剤など

「どれも思い当たらないけれど眠れない」→不眠症


ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社



むずむず脚症候群(レストレスレッグズ症候群)

むずむず脚症候群(レストレスレッグズ症候群)

主に夕方から夜間座ったり横になったりしている時に、足を中心に不快な感覚(ムズムズ、いらいら、痛い、痒い…など様々)が生じ、じっとしていられなくなるもので、不眠の重要な原因になります。足を動かしていると楽になるのも特徴のひとつです。
生活習慣の調整と共に薬物治療を行うことで大半が良くなります。

「むずむず脚症候群」は周期性四肢運動を合併しやすい
むずむず脚症候群は、ふくらはぎや大腿部、足首など脚に症状が出るのが大多数ですが、ときには腕やおなかに起こることも。
周期性四肢運動を合併しやすい。

むずむず脚症候群と周期性四肢運動は
薬物治療で「9割以上が改善」
症状を悪化させるカフェイン、アルコール、ニコチンを避ける、鉄分不足を解消する、原疾患(腎障害など)を治療する、薬物投与するなど、的確に対応すれば大半は治る病気です。

《日常生活に注意することで悪化を防ぐことができます》
むずむず脚症候群と周期性四肢運動の症状の悪化を防ぐためには、これらを避けることが大事です。
【NG】
・カフェイン
・アルコール
・ニコチン
・肉体疲労(よく歩いたり走ったりしたときは、寝る前にマッサージするとよい)


ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社


周期性四肢運動障害

周期性四肢運動障害

睡眠中に四肢(足を中心とした)に周期的な動きが生じて、中途覚醒しやすくなったり、昼間眠くなることもあります。むずむず脚症候群と類似した原因で起こると言われており、治療法も共通しています。

むずむず脚症候群と周期性四肢運動は
薬物治療で「9割以上が改善」
症状を悪化させるカフェイン、アルコール、ニコチンを避ける、原疾患を治療する、鉄分不足を解消する、薬物投与するなど、的確に対応すれば大半は治る病気です。

《日常生活に注意することで悪化を防ぐことができます》
むずむず脚症候群と同様な日常生活上の工夫をすることが重要です。
【NG】
・カフェイン
・アルコール
・ニコチン
・肉体疲労(よく歩いたり走ったりしたときは、寝る前にマッサージするとよい)


ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社


概日リズム睡眠障害

概日リズム睡眠障害

睡眠-覚醒の時間帯が、社会生活(学校や会社等)を送る上で望ましい時間帯からずれてしまうもの。極端に夜寝る時間が遅く、 朝寝坊になる睡眠・覚醒相後退障害が代表的です。この疾患は遅刻、欠勤の原因になるだけでなく、全身の倦怠感や立ちくらみ、うつ症状を生じることが多いこともわかっています。体内時計を整える治療によって改善します。

「概日リズム睡眠障害」は睡眠の時間帯がずれ、社会生活に支障が

夜中になっても眠れない、朝早く起きられないというのは、単なる怠けではなくて、「概日リズム睡眠障害」の疑いがあります。

《睡眠時間帯がずれてしまうのが概日リズム睡眠障害》
睡眠時間帯のパターン
【正常睡眠】…
毎日だいたい同じ時刻に目覚め、同じ時刻に眠くなる。
【睡眠・覚醒相後退障害】…
明け方近くまで眠れず、昼近くや昼過ぎにならないと起きられない。
【非24時間睡眠・覚醒リズム障害】…
眠る時刻と目覚める時刻が毎日少しずつ後ろへずれてしまう。
【睡眠・覚醒相前進障害】…
夕方ごろから眠くなり、深夜〜早朝に目覚めてしまう。
【不規則睡眠・覚醒リズム障害】…
睡眠と覚醒の時間帯が不規則になり、昼夜を問わず途切れ途切れに眠る。

生活習慣が原因で起こりやすい「概日リズム睡眠障害」。
本人の治療意欲と生活習慣を変える努力が極めて重要です。


ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社


REM睡眠行動障害

REM睡眠行動障害

寝ぼけや寝言、寝ている間に歩行したり物を食べる、繰り返し起こる夜驚、夢の中での異常行動などがあります。検査によりメカニズムを充分検討した上で治療法を選択します。

「レム睡眠行動障害」は神経疾患に発展しないかチェックが必要
若年型の寝ぼけが睡眠前半のノンレム睡眠時に現れることが多いのに対して、睡眠後半のレム睡眠時に起こりやすいのがレム睡眠行動障害。高齢者に多い病気です。

《夢の中と同じ行動をするのがレム睡眠行動障害》
夢の中で怪獣と闘っているのか、布団の中で大暴れ。
そのせいで、隣で寝ている人に暴力をふるうことも。
症状の後に目覚めれば、すぐにふつうの状態に戻り、悪夢を思い出します。


ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社


覚醒障害

覚醒障害

錯乱性覚醒、夜驚、夢中遊行の総称であり、いずれも睡眠前半のノンレム睡眠時の深い眠りのときに起こりやすいのが特徴のひとつです。
覚醒刺激を受けたものの、充分に頭が起きない状態のときによく見られ、目は開いていますが、脳波はノンレム睡眠時の1か2の段階です。
そのため、寝ぼけている最中のことは、本人にはほとんど記憶がありません。

 錯乱性覚醒は、いわゆる寝ぼけで、はっきり目が覚めず、ボーッと混乱したような感じで起きてくること。夜驚とは、大きな声で泣いたり叫んだりすること。夢中遊行では、歩き回ったり、トイレと間違えて押入れに放尿したり、ときには外に出たというケースも報告されています。


ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社


睡眠関連摂食障害

睡眠関連摂食障害

(sleep-related eating disorder; SRED)
睡眠した状態で歩き出し食物を食べる病気です。女性に多い傾向があり、睡眠時遊行症と密接に関係しています。
この病気の方は、睡眠時に睡眠状態のまま歩き出し、過食し、食べて満足するとそのまま寝床へ戻るという行動パターンを示します。
これらの症状が睡眠時に無意識に起こるため、症状を記憶していないことも多いのですが、食べた形跡(皿、お菓子のパッケージなど)が残り、これが手掛かりになって摂食したことを思い出すこともあります。
睡眠時に大量に食べてしまうといった症状がほぼ毎日のように繰り返されるため、体重が増加しやすいという問題点もあります。
また、眠ったままで電子レンジ、包丁、コンロなどを使って調理するといった行動を取ることもあるため、怪我ややけどのリスクも伴います。


ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社


小児睡眠障害

小児睡眠障害

子供のいびき・睡眠時無呼吸、日中の眠気、むずむず脚症候群など (当クリニックでは小学生以上を対象に診療しております)。生活習慣指導など、薬物に頼らない治療が主体になりますが、成人と同様の治療法を用いることもあります。

「若年型の寝ぼけ」は、睡眠前半の深い眠りのときに起こる
子どもに多い「寝ぼけ」。ボーッと起きだしてくるもの、大声で叫ぶもの、歩き回るものなど、症状はさまざまです。

《叫ぶ、歩く、食べる……若年型のねぼけの症状はさまざま》
【夜驚】…大声で泣いたり叫んだりする
【夢中遊行】…室内を歩き回ったり、放尿したり、ときには外に出ることもある
【睡眠関連 摂食障害】…夜間前半に寝ぼけた状態で、物(炭水化物が多い)を食べる。自分で調理して食べることもある。


小児睡眠障害

ねぼけているときは無理に起こさず
「安全を確認しながら見守る」
子どもの寝ぼけは小学生ぐらいになったら大半が自然に治ります。行動が激しい場合や、夢中遊行が成人になっても生じるような場合は受診しましょう。

《子どもの寝ぼけは、無理に起こさず、見守る》
原因としては、深い睡眠状態から急速に覚醒するため、十分に目覚めないこと、夢の構造が部分的にノンレム睡眠時に残っていることなどが考えられます。無理に起こすとパニックになることがあるので、けがをしないように見守りましょう。

「異常行動が激しい場合」「成人になっても生じる場合」→受診


ササッとわかる「睡眠障害解消法」参照
著 作: 井上 雄一
発行所: 株式会社講談社


その他の睡眠障害

当クリニックは、上記以外にも睡眠中のうなり声やけいれん、異常運動などを含めて多様な睡眠障害にも対応する、総合睡眠診療施設です。
まずはご相談下さい。